僕自身も全く同じ現象に遭遇したことがあって、かなり詳しく調べました。
結果から言うと、ルビつき文字が正しく表示されるかされないかはランダムです。ただ、消える文字は必ず消えます(流し込んで出たり消えたり、ということはありません)。
monokanoさんが書いていらっしゃるように、WORDのルビはフィールドコードによる特殊な表記で実装されています。
このフィールドコード自体は本来不可視文字というか、印刷されては困る指示語、もっと砕いて言えばマークダウンテキストのタグのような存在です。消えてしまうルビつき文字というのは、文字自体 がすべてフィールドコードだとInDesignに誤認されることによります。要するに印刷されては困る指示語の一種だと見なされてしまい、InDesignに流し込んだ際に消えてしまうのです 。
ではInDesignが悪いのかというと、確かにその一面もありますがそうではありません。WORDが正しくXMLタグを付けないのです。それも無秩序に間違えるのです。
どのような経緯でWORDが誤ったタグ付けをしてしまうのかまではわかりません。わかりませんが、間違ったXMLタグが当てられてしまっているかどうか(=InDesignで消えてしまう文字 )は中身を開けば確認できます。
その前に現象の確認です。まず適当にルビを振ったdocxファイルを用意しました。
これをInDesignに流し込んでみます。
結果はこのようになります。
InDesignで消えたルビつき文字と消えなかったルビつき文字を比較すると、以下のようになります。
消えなかったもの:<w:ruby>〜</w:ruby>で囲まれている
特にルビが振られている親文字には<w:rubyBase>〜</w:rubyBase>というタグが当たっています。
消えたもの:<w:ruby>〜</w:ruby>で囲まれていない
もっと言えば<w:instrText>〜</w:instrText>という、フィールドコードを示すタグが当たっています。
まとめると、消えるか消えないかの判別はXMLタグから確認することができます。
しかし、WORDがいつタグを付け間違えるか、また、付け間違えたルビつき文字が存在するのか否かはWORDから確認できません。
また、どのルビつき文字にタグを付け間違えるかは予測不能です(何度も試しましたが、どういった機序で消えるルビつき文字になるのか、手順次第でコロコロ変わるため「予測不能」と結論づけまし た)。
ですので、私見ですが、docxファイルをそのままInDesignに配置するのは推奨できません。
できればUTF-8などの文字コードでプレーンテキストに書き出し、InDesign側で(スクリプト等を利用して)処理するというのがもっとも安全だと思っています。
補足:このルビつき文字ですが、Quarkでは消えません(笑)